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2007年1月18日 (木)

いろいろ楽しかったよ、アキ

 アキが、セレッソからいなくなる。2年前のオフに初めて移籍話が出てから、いつかこの日が来るのは予想していました。あのときも、アキ自身はかなり移籍に傾いていて、「西村さんがGMになっていなかったら(引止めがなかったら)、セレッソを出るもりだったの?」との問いに「そのつもりだった」と話していたし、ずーっと前に、「いずれは静岡に帰って・・・」という言葉を、本人から聞いた記憶もあったし、ここ2シーズンの様子からは、「ラスト」の予感が漂っていたし。

 18歳のアキ(そのころは「アキ」ではなかったけれど)から現在のアキまで、12年。年月が長いぶん、思い出というか、エピには事欠かない。特に印象に残っていることをいくつか。念願かなって海外移籍が決まったときのインタビューで、「スペインではどんな経験をしてきたい?」との質問に、「挫折をしてきたい」。思えば、アキは常にザセツと隣り合わせであった気もする。最初の「移籍騒動」があり、「セレッソ残留」が決まった直後、'05年の始動日。イヤーブックのアンケート用紙(当時は選手直筆で質問に応えてもらっていた)を前に、ずーっと考え込んでいた姿もなつかしい。そーっとのぞきに行くと、最後の質問である「サポーターへのメッセージをどうぞ」のところでペンが止まっている。ほかの選手がどんどん書き終えて部屋を出て行っても、まだ考え込んで、書いた言葉は、「ご心配おかけしました。全力で頑張ります」。微笑ましかった。

 ピッチ上での忘れられないシーンは、数多いけど、'05年の最終戦のアキは、いろんな意味でベストパフォーマンスだと思う(本人にそういうと、『どこが? あんなもん全然ベストじゃない、あれぐらいやろうと思えばできる』と反論されたけど)。実は、あのシーズンの序盤、「今のサッカー(守備重視)をやっていたら、そこそこの順位にはいけると思う」とアキ。「そこそこの順位ってどれぐらい?」と聞くと、「5位ぐらいにはいけると思う。でも、それ以上は無理、このサッカーをやっている限り、優勝はできないと思う」。そんなことを言っていたアキが、優勝を目指して、死にものぐるいでプレーしていた、あの試合。優勝はできない、との「予言」を自ら打ち消そうとしていた、あの試合。結果は、皮肉にも5位。不思議な思いはいまだに消えません。

 結果的にセレッソでのラストゲームになった、昨季最終節。負傷し、足を引きずりながらも一度はピッチに戻ったものの、次のプレーで倒れこみ、そのまま外へ。あれが最後になるなんて、悲しすぎるしさびしすぎる。

 今回の決断は難しいものだったろうけど、アキにとってはよかったのではないか、と思う。12年前、大方の予想を裏切る形で、セレッソに、大阪にやってきたアキ。当時、セレッソとともに、熱心に誘われていたのがエスパルスだった、と話していた。「(当時エースとして活躍していた)長谷川健太の後継者として考えている」と口説かれた、とも。その長谷川監督のもとでプレーすることになるのだから、なにかの導きのような気もする。

 12年間、まーいろいろなことがありましたけど、総じて楽しかった、かな。地元で、幸せなサッカー人生をまっとうしてください。

 私は、セレッソにとって今季は「原点回帰の年」になるのではないか、と思っていました。アキがいなくなり、いよいよその感が強くなっています。2枚看板の1人が抜けて、モリシだけになるセレッソ(モリシだけ、というと語弊があるけれど)。アキが加入する1年前の、'94年、Jリーグ昇格を目指してチームがスタートしたときと同じように。もちろん、チームとしてクラブとして当時のままであるわけはないけれど、「初心に戻る」という意味では、スタートの年になる気がしています。

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コメント

はじめまして。shanleeと申します
私は、アキをみてセレッソファンになりました
ヨコイさんが書く、アキの記事が大好きでした
セレッソのアキをみることはもうなくなってしまうけれど、是で良かったと言えるセレッソになってほしいです

投稿: shanlee | 2007年1月19日 (金) 00時18分

こんばんわ。
アキのエピソードを沢山書いて下さってありがとうございます。嬉しいと同時に恋しい思いが募ってどうしようもありません。
本音を言うと、セレッソで引退して欲しかった。もっと言うと「セレッソで引退したい」と言わせたかった。
でも、私はアキが幸せでいられるように応援してきたので、「最後は地元で」と思い続けてきたアキの想いが叶って、アキが幸せな気持ちでプレーできるならそれが一番いいとも思っています。
アキが幸せなら、きっと私も幸せな気持ちになっていけると思うから。
アキは充分にセレッソを愛してくれているし、私達サポを愛してくれていると実感もできる。
アキがくれた心のこもった最後のコメントはまるでラブレターみたいで、「アキはこんなにも大阪とセレッソを好きなのに、清水に行ってちゃんと切り替えできるのかな」って余計な心配をしたくなるほどです。
たまらない気持ちになるからコメントはファンサのようにサクサク出してくれる方がいい(笑)なんて思っていましたが、愛情溢れるあのコメントを読んで「こりゃ一生の宝物だー」って思いました。
たまらない気持ちに、やっぱりなってしまったけど、普段表現できない分、アキは本当の気持ちを本当に心をこめて贈ってくれた。
モリシをあんな風に表現できるのは、きっとアキだけですね。
まだ元気がないモリシ。無理やりでなく、一日も早く元気な表情のモリシになってほしいです。
そして、アキにはできればもう1年がんばってほしい。わがままですけど。

投稿: 団子3兄弟の母 | 2007年1月19日 (金) 00時36分

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» 惚れた男 [maeken1s FOOT journal]
好きな選手はたくさん居るけど 惚れた選手はアキしか居ない.. そのアキも清水に移籍。 嘉人同様、覚悟はしてたけど こちらはかなりしみじみしてしまう。 何せ、惚れた男。 とにかく、カッコ良かった。 セレサポになったのも アキが居たからにほかならない。 清水に旅行に行く言い訳が出来たとか J2とJ1でセレッソと対戦しないとか いろいろと逃げるところを探してしまう けれど、、、やっぱりセンチメンタル。 来期からも「9番」を背負って観戦する? う〜む........ [続きを読む]

受信: 2007年1月19日 (金) 03時01分

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